あるひまじんの日記

今日も世はこともなし。

マンガ inスカイハイ

スカイハイ 1 (ヤングジャンプ・コミックス)スカイハイ 1 (ヤングジャンプ・コミックス)
(2001/12/10)
高橋 ツトム

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懐かしいですが実は全巻読んだのは今回が初めて。今は小説版読んでます。

一時期はドラマ化映画化もされたほど人気なマンガでしたが、そこまで巻数が多いマンガではないんですよね。一応読んでみたのは「スカイハイ」1~3巻、「スカイハイ新章」1~4巻、そして「スカイハイ・カルマ」1、2巻。

事故や殺人、不慮の死で死んだ者は怨みの門と呼ばれるこの世ともあの世とも思えない場所に赴き、イズコという門番の前で数日間の期間内に「再生して生まれ変わる」「現世に残り未成仏霊になる」「誰かを呪い殺して地獄へ行く」のいずれかを選択しなければならない、というコンセプトのもと展開する読み切り的な作品です。

「スカイハイ・カルマ」は他のスカイハイシリーズと違って読み切りではなくひとつの物語として完結しているので別として、スカイハイと新章の中から気に入ったお話など。

時の鐘

「スカイハイIV」、第4話。

時計職人である老人が事故で時計台から転落死、怨みの門へ。死んでからも正確に動き続ける体内時計同様、目が潰れても時計職人として誇りを持ち続けていた彼。しかし彼の年老いた妻は彼を追いかけて自殺しようとして……。

「白い犬とワルツを」のようなストーリーですが、思い出したのは「おじいさんの古時計」の歌。かつて妻にプレゼントした渾身の作品でもある懐中時計が6秒ずれていて、その「6秒間」だけ現世で妻の前に出て行けるというくだりは感動的。たった6秒の間に彼が妻に残した、自殺を思い止まらせる六文字の言葉「むかえにくる」

「お生きなさい」のラストシーンのイラストは大好きです。

pigeon house

「スカイハイ2」、第1話。

ある出版会社に勤めている年老いた守衛が社長の自殺を制止しようとして死亡、怨みの門へ。屋上で飼い続けていたハトが好きで、でもそれ以上に会社そのものが好きな彼は自分が死んだ後に会社に決断の時が迫っているのを知って驚愕。もう手の届かない会社の行く末に絶望する彼はイズコから再生を提案されるも、最終的に彼が取った選択とは。

私が始めて読んだ「未成仏霊」としてのエンディングという話だったので印象に残っていた事と、やはりラストシーンでハトたちが彼を迎えるようにして飛び立つというイラストに感動した記憶があります。「だって だって ここが私の ――すべてだから――」

裸の王女

「スカイハイ・新章3」、第十死。

過剰なまでの潔癖症の女性が酒に酔って風呂で溺死、怨みの門へ。汚いものに嫌悪感を示す彼女のその性癖は、かつて幼い頃に負ったトラウマが原因。しかし自らの死体があまりにも醜いのに絶望して「美しい死体になりたい」とイズコに懇願する。イズコは彼女の望みを叶える代わりに……。

籠の中の鳥のような生活を続けてきた彼女が孤独や自然という一度も触れた事のない領域を垣間見て、徐々に閉じこもり続けていたその心を解放するという流れは切ないながらも美しい。「情けない自分を呪い殺したい」という彼女ですが、ラストシーンのイルカやクジラたちが跳ね回る海を前にしたイラストは一番好きだなあ。

スカイトレイン

「スカイハイ・新章4」、第十五死。

育児放棄した母親に代わって「ホーム」で子供たち――三女、一男――を育てる代理の児童指導員の二人。歪んでいてもひとつの家族のように彼らは幸せに暮らしていたが、ある日子供の一人、男の子が車に弾かれて死亡、怨みの門へ。

小さい子の魂を~というのはそれまでにもいくつかありましたが、総じて再生して新しく生き直すという展開が多かっただけにこのストーリーは驚いた。自らの母親を呪い殺し、それでも地獄には行かずに再生したというのはこの話の少年だけの特例ではありますがこうでもなければやり切れないほど哀しい話です。彼が素直で良い子というのがまた。。

というわけで現在は小説版読んでます。これはマンガ版の「ヒトソダテ」とオリジナルストーリーの「骨」を小説化したものです。この作者さんはスカイハイのドラマ版脚本も手がけた人だそうでこういう風に文章にしてさらにドラマになっていったのかと思うと面白いですね。