あるひまじんの日記

今日も世はこともなし。

映画 in笑の大学

笑の大学 スペシャル・エディション [DVD]笑の大学 スペシャル・エディション [DVD]
(2005/05/27)
役所広司稲垣吾郎

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最近はミステリー小説ばっかり読んでいてゲームは二の次になってます。面白いんだもん!

でもたまには笑いたくなるのでこんな映画を借りました。三谷脚本の映画だったのでつい。

舞台は昭和15年。日本は戦争への道を歩み始めていた。国民の娯楽である演劇は規制され、警察で台本の検閲を受けなければ上演できない。そんな時代に、生まれて一度も心の底から笑ったことがない検閲官・向坂睦男と、劇団「笑の大学」座付作家・椿一が警視庁の取調室で出会う。向坂は「このご時世に、低俗な喜劇など不謹慎であり上演する必要などない」と考えているため、“笑の大学”を上演中止に持ち込むべく、椿の台本に対して「笑い」を排除するような無理難題を課していく。しかし、椿は何としても上演許可を貰うため、向坂の要求を飲みながらも更に「笑い」を増やす抜け道を必死に考えていく。


喜劇を作る作家、その作家が書いた脚本から笑いを取り去ろうとする正反対な役どころの検察官という二者のタイマンが実に面白い。12人の優しい日本人同様、ほとんど舞台は警察署内のひと部屋のみ。ここで数日間に渡り検察官・向坂睦男(役所広司と喜劇作家・椿一(稲垣吾郎の二人がぶつかります。

最初は「本当にこれ、笑える作品なの?」と思ってしまいましたが、生まれてから一度も心のそこから笑った事がないと言い切る向坂の無理難題をどれだけ手間が掛かろうともクリアしていこうとする椿の姿が生々しく、決して諦めようとしない彼の姿に自然と脚本の手入れの手助けをしてしまっている向坂の言動や役の中のひとりになりきって演じてしまったシーンなどはついついこちらも笑いを誘われてしまいました。

やがて二人の苦労の末に完成する台本ですが、なんと椿に"赤紙"が届いてしまうというわけで事態は急展開。それまでまったく考えてもいませんでしたがこれは戦争時代の話なんだなあ、と終盤になってから見ている方も思い至る始末。苦楽を共にしたと言ってもいい二人の別れ、その瞬間に厳格で頑固な向坂の口から発せられた警察官にあるまじき発言。

ラストで長い警察署内の廊下を相手の姿がなくなるまで見送る向坂とそんな彼に律儀なお辞儀を繰り返す椿の別れのシーンは、単に「廊下上で二人が離れていく」だけのシーンなのに長い時間が取られており、二人の思惑だけでなく脚本を書いた三谷自身のいろいろな意図と想いが汲み取れます。

有頂天ホテル「マジック・アワー」のように笑いをメインに来させつつもちゃんと人間的ストーリー、感動シーンとをわきまえた作品であると同時に、ただ単に爆笑して終わるだけの無理やりな喜劇ではない奥深さも兼ね添えた「笑える」映画でした。是非。