あるひまじんの日記

今日も世はこともなし。

手塚治虫のブッダ

ブッダ全12巻漫画文庫 (潮ビジュアル文庫)ブッダ全12巻漫画文庫 (潮ビジュアル文庫)
(2002/11/01)
手塚 治虫

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実は去年の暮れは手塚治虫が執筆していたブッダをずっと読みふけっていました。

漫画自体は「火の鳥」や「ジャングル大帝」に連なる手塚治虫の代表作と言っても過言では無いのであえて感想だの紹介だのは控えたのですが、つい先日にTOKYO MXで2011年公開されたブッダの映画、「手塚治虫ブッダ-赤い砂漠よ!美しく-」が放送されてたので、すっかりブッダに没頭してました。

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(2011/12/09)
堺雅人観世清和

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しかし、漫画版のブッダはハードカバーでも8巻構成、文庫版では14巻構成というかなりの長大ストーリー。もともとブッダの歴史に手塚治虫なりのアレンジを加えての作品でもあるので横道のストーリーも多く、とても映画という時間内に収まる作品では無いだろうなあ、と思って蓋を開けてみると…

まず作画に関しては手塚治虫のカラーはありません。完全にオリジナルに描き起こされたもののようで、強いて言えば現代風アニメにとても近くなっており馴染みやすい色彩、タッチによる作画でまとめられています。女性キャラは安心にも(?)おっぱい丸出しではありませんでした。w

原作の漫画ブッダ仏教の話でありつつも宗教色が濃くはなく、むしろ火の鳥に近い歴史人情漫画というか普通の物語として楽しめる作品になっていたのですが、アニメの方でもそこだけはきっちりと踏襲してくれているのは良かったです。

しかしながらやはり尺の問題はどうするつもりなのかとずっとハラハラ見ていた、というのも中盤を過ぎてもなお漫画版の1巻で語られている内容ばかりで、2巻より先の物語が入りきるのか?と変な方向に心配しながら観賞していたという…

そしてラストに入ってもまだ2巻より先に物語が展開せず、漫画版ではブッダの入滅までがしっかり描かれていたにも関わらずアニメでは青年期前半、カピラヴァストゥ城を離反して出家した時点で物語がお終い。タッタとかミゲーラなどの脇役は登場しているのですが、彼ら彼女らも最後までの姿は描かれずじまいで終わっています。

漫画版ブッダのファンにはこれはかなり悔しい&消化不良なストーリー構成なのですが、よくよく考えてみると1巻のチャプラが登場してから彼が母親と共に処刑されるまでの物語だけですでに「ブッダ」という物語の本髄は描き抜かれているような気がするのも事実。

徹底的な階級制度に疑問を持ったところから人の生死や生き方について悟りを啓いていくブッダ、そのきっかけとなったチャプラの事件。導入部でありながらも幹が太い語りで読者をあっさりとブッダワールド、もとい手塚ワールドに引き込む手腕はさすが巨匠といったところです。

しかし一方ではやはり、最後の最後までしっかりとアニメ化された「ブッダ」を見てみたいという欲求も。。

映画並みの作画は無理だとしても2クールくらい使ってもいいからどこか製作してくれないかなー。最近のアニメは真面目に面白くないのでこういうアニメが見たいです。