あるひまじんの日記

今日も世はこともなし。

漫画 inあとかたの街

あとかたの街

AmazonアプリのKindleを導入してみたので前から気になっていたこちらの漫画を4巻までまとめ買いしてきました。終戦記念日も同時期だし。

読み始めたらあっちゅーまに時間が過ぎ、久し振りに徹夜漫画タイムしてしまいました。

舞台は名古屋、昭和19年。

主人公の中学生、木村あい を中心とした家族や周囲の戦時中生活を綴りながら刻々と差し迫る戦禍をまざまざと描きます。

はだしのゲン」は広島、「うしろの正面だあれ」は東京を描いた漫画・アニメでした。原爆や東京大空襲といずれも大きな被害があったことは今の若い世代でも軽く知っているところと思われます。

しかし一方、それ以外の日本の地域では戦時中、なにが起きていたのか。

進め一億火の玉だ、の通りで日本全国そこまで差のある生活ではなかったとはいえ、そこに住む人々の心情まで十把一絡げにはできません。

名古屋に住む少女あい。6人家族の5人が女という女家庭で育った彼女たちにも戦争による影響が厳しく迫ります。

この漫画は他の戦争漫画ではさほど語られない、戦時中の女性がどうやって暮らしていたかを軸として描かれています。

作者さんの手描き文字で当時の一般家庭で工夫して食べられていた料理やお菓子が時折コマ隅に登場し、厳しくとも生き生きした女性たちの強さが実感できます。

イラストが可愛らしいのも取っつきやすいと言えるかも。

悲惨なシーンは決して省いてはいませんが、はだしのゲンのコンセプトである「敢えて気持ち悪い描写をすることで戦争そのものも嫌悪してもらう」という前提ではないのは確かです。もちろん、原爆と焼夷弾とでは被害も比べ物にならないのは事実ではありますが。

戦争の悲惨さのかたわら描かれる人と人の心。過酷な時代でも人々は泣き、笑い、誰かを愛し、何かに傷ついて、励まし合い、夢を見て、誰かを守ったり、何かを作り出していたのだ…と。

軍国主義天皇神制など当時の大日本帝国の在り方も戦争を語る上では切り離せませんが、それと同じくらい読んで知っておきたい「人の暮らし」。

特に女性にこそオススメできる漫画です。