あるひまじんの日記

今日も世はこともなし。

キングダムたのしい

ここんとこずっと漫画のキングダムに浸っておりました。いやー、戦記モノってやっぱり良い。

 

ずっと話題になっていた作品なのは知っていたのですが、だいたいこの手の物語はファンタジー系しか読まなかった私。

さらに中国モノとなると余計に足が遠のいていたのですが、第一話~五話くらいまでのいきなりなシリアス展開っぷりにあれよあれよという間に引き込まれ、遅ればせながらもいつの間にか最新刊まで読破してしまっていました。

 

主人公の信のモデルとなった李信こそ経歴に不明点が多い人物ですが、基本的に史実に忠実な描かれ方をしているので、詳しい人ならこの先の大まかな展開は読めているとは思われます……が、それを差し引いて余りあるのが個性的過ぎる各キャラクターの魅力。

こっちはほとんど作者・原泰久さんオリジナルキャラのように描かれているためか、死なないでくれー!とか、うざったい奴だなあ、とかの読者側の感想も悲喜こもごもです。

 

そのお陰で史実や文章の上ではただの一武将であったり一兵士であったりした人物に再び命が宿ったようになり、漫画上で生き生きと乱世を駆け回っている姿がなによりも魅力的な作品だと思います。

 

小説を書くことを趣味にしている身としては、こういう作品を文章で表現するにはどうすればいいんだろうなあ、と夢想するのも楽しいですが、同時に漫画でなければ表現できないかもしれないという絶望感もあったりします。w

こと、戦争中の十万、二十万単位の軍隊がぶつかり合うシーンや大将軍たちが士気を高めるべく咆哮鼓舞するシーンなど、文章ではここまで迫力を出せず簡潔にまとまってしまうだろうなあ、とか。

 

原泰久さんの作風・絵柄も、言ってしまえば現代っぽいキレイな絵柄ではないのですがそれがむしろ大きく功を奏しているように思います。かつて流行った劇画風の漫画を彷彿とさせながらもしっかり読みやすい、原泰久さんしか描けない漫画でもあると思いました。

 

さて、趙と楚という二大勢力を前に秦がこれからどう動くのか、そして信たち飛信隊や秦軍の一同、なによりも政と秦国の進む道はどうなっていくのか。

「キングダム」=「王国」が中華を統一し始皇帝により成立されるその最後までを描いて欲しいと思いつつ、ますます楽しみに続巻を期待しています。

 

 

個性的なキャラクターが多いキングダム。最近発売されているキングダムマン(ビックリマンのキングダムバージョン)をちまちま買ってはシールを集めてにやにやしている私ですが、そんななかで好きなキャラを列挙してみます。

以下ネタバレあり。

 

 

 

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河了貂(かりょうてん)

序盤に登場した時はてっきりベルセルクでいうところのパックみたいな役回りで、シリアスな展開に癒しをくれる非戦闘キャラだと思い込んでいたのにいつの間にか大成長していまでは軍師としてすごいキャラになっちゃった、テン。

漫画では飛信隊、つまりは信直属の軍師という立ち位置ですが、史実では河了貂にあたる存在は見当たらないのだとか。原泰久さんのオリジナルキャラという見方で良さそうです。

梟鳴(きゅうめい)という山の民一族であることが漫画では序盤に判明(アニメではそのあたりがカットされてる?)しますが、楊端和の一族からも特別な庇護を受けているようでもなく、はたまた他の山の民が特別待遇したようでもなく、信同様に独り身の孤児だったからこそ立身しようという気概が強く、そのあたりが個人的にはとっても魅力に映りました。もちろん可愛いし。

 

 

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蒙驁(もうごう)

おじーちゃんです。何が起きても慌てず騒がず、どっしりと構えて待ちに徹して勝利を収めるという戦い方と好々爺な性格とが相まっていて、スラダンの安西先生みたいでした。w

漫画中でも逸話として、ストレスが溜まった時には一兵卒のフリをして軍内をうろうろして過ごすという行動のあたりも、やっぱり微笑ましいおじーちゃんって感じです。

しかし漫画では防戦一方になるシーンが多かった戦のやり方ですが、史実ではかなりの実力を持った将軍だったとか。なによりも攻城戦が得意だったようで、70以上もの城を短期間に一気に落としたという記録があるそうです。

キングダムの描かれた時代よりさらに前の話だったのかもしれませんが、若かりし頃の鬼神のような活躍を想像するのも楽しいですね。そういうところも安西先生みたい。

 

 

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蒙恬(もうてん)

王賁(おうほん)ももちろん好きなのですがいまだシールが出ず…。

王騎たち六将の死後、秦のみならず各地で新しい才能と勢力が芽吹いてきたそのさらに先の世代として信、蒙恬、王賁の三人が秦で台頭してくるのがまさにいまのキングダム最新刊でのストーリー。

父に筋肉一筋の蒙武(もうぶ)、祖父に蒙驁(もうごう)を持ち、なにかと信と対立しやすい王賁と違って蒙恬はのん気な極楽トンボっぷりを見せてくれるのも楽しいのですが、こと戦の実力はかなり高いというのが登場時から描かれていました。

しかし、史実ではなんと政治家(文官)だったという記録があるそうです。でもそれは最初のうちだけで、李信の副将を務め武と知を兼ね備えながら中華統一後も三十万もの大軍を任されるほどの人物になります……が、とある事件の末に自殺を強いられて死んでしまうという悲劇的な最期を遂げてしまいます。

嬴政(始皇帝)や信(李信)の最期も決して悲劇的ではなかったとは言えないようですが、史実では討ち死によりも悲しい最期を持つ蒙恬は贔屓してやりたいキャラですね。

 

 

シールが出ないので最後になっちゃいましたが、私がキングダム史上でおそらく一番好きであり続けそうなのが壁(へき)なんです!キングダムマンも壁のために買い続けていると言っても過言ではない……まあ王騎も欲しいけど。

 

生真面目で正直者で堅実で苦労人という性格で描かれている壁さん。楊端和にホの字なあたりも含めて実に人間的で優等生抜群なキャラなのも好きなところなのですが、なにかにつけて信を弟として面倒見たり諫めたり、もし信が大将軍になったとしても真っ向から叱り飛ばせる年上キャラは昌文君を除けば壁だけなのかなあと思っています。

がんばれ壁あんちゃん!

 

そんな壁さん、史実では名前が出てきたのが「史記」のなかの「将軍壁死」という一文。漫画でのシーンとしては屯留での成蟜反乱のあたりです。

作者の原泰久さんも「将軍壁死」という言葉から壁のあんちゃんが死ぬという解釈をしていたようで、実際に壁もこの時の戦争に出てきているのですが、「壁の内側で将軍が死んだ」という新たな解釈が判明し、急遽(?)死なないで済んだスーパーラッキーなキャラでもあるのです。詳しくはコミックスの35巻のあとがきにて。

 

堅実に努力を積み重ねてきた実が成った、という見方でいいのかはわかりませんが、史実的な死亡をも乗り越えた壁将軍が今後どんな活躍を見せてくれるのかが、個人的にはもうひとつのキングダムの楽しみでもあります。

そしてできれば楊端和さんとの素敵な関係も……あっちは山の民一同が怖いか。w