あるひまじんの日記

今日も世はこともなし。

家庭内腐海。あるいは虫たちの楽園

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こんな記事をふと見かけたので、私もGや虫、もとい、家庭内腐海について語ってみようかと思います。

 

当然ながらGに限らず虫苦手な人は閲覧注意ですのでお読みにならぬように。

 

 

 

私の母はおおらかで誰とでも分け隔てなく接することができる、およそ私とは正反対な社交的マックスな人物でした。

人生で営業職に就いていたことはありませんでしたが、もし営業で駆け回っていてもそれなりの実績を残せたのではないかと思えるような、本当に対外的な話術に長けていました。

 

反面、と言ってしまっていいのか……

外面はこんなふうに非常に良かったのですが、こと家のなかのことについてはまったくの無頓着。脱ぎ散らかしや出しっぱなしは当たり前、重要書類や金券類までもガラクタの山に埋めてしまい本人はまったくそのことを忘れている始末。

 

一度買った商品を失くしてまた買うなんてことは茶飯事で、二度も三度も再購入しては大変なお金を無駄にしました。時には何十万もする商品でも平気でそんなことをしてしまい、几帳面で綺麗好きな父とはそのたびにケンカが絶えませんでした。

 

まったく、私と父が居なければ一年もたたずに巷で有名なゴミ屋敷になるのは確実なほどの極端な掃除と片付け嫌いでした。もっとも、本人からすればいくら散らかっていても「片付いている」し「なにがどこにあるのか」も分かっているらしいのですが……

 

母に関するエピソードはまだまだ出てきますが、今回は特に母の台所の杜撰な管理とそれによる虫に関する話です。

 

 

  • なんかプチプチと音がする…

母は料理も好き(友達や近所の人にお裾分けする用)だったので、食材はいろいろとストックしていました。しかし、管理に関しては前述のとおりまったく褒められたものではありませんでした。

 

私が中学くらいの頃。運動部で遅くに帰ってくると両親はとっくに夕飯を済ませて寝室でのんびりしていたりするのですが、ひとりでさくっと夕飯を食べてしまおう、と母が作り置きしてあったおかずをレンチンしようとした矢先です。

レンジの下の食材置き場(それ以外にもごたごたに積まれていましたが)に白い小さなビニール袋がありました。これは母が好きな和菓子作りで使う小豆であることは私は知っていたのですが、どうもおかしい。

 

私以外は人がおらず、テレビもついていなかったので台所が静まり返っていたせいもあると思います。

なにか、プチプチ、とか、カサカサ、という小さな小さな音がします。ゴキブリかとも思ったのですが、それにしては音が小さすぎる気もするし、なによりすぐそばで聞こえるのにゴキブリらしい影も形も見当たらない。

 

いろいろと耳を澄ませたところ、ついにその白いビニール袋のなかが怪しいことがわかりました。

恐る恐る摘み上げてみると、プチプチカサカサ、と袋そのものが揺れ動くほどのなにかが入っています。袋の口は軽くしばってあり、ゴキブリが入れるスペースではないので安堵はしましたが、じゃあなにが入っているのか…

 

この時点で危険を感じた私はとにかく袋をつまんだまま玄関から出て、外で開封することにしました。

軽く止められていた口を緩めてさかさまにしてみると、ドワワッと出てきたのはもんのすごい量の黒い小さな虫でした。何匹、とか何十匹、ではなく、もはや何百匹のレベルでした。

 

あまりのことに私が腰を抜かす暇もないまま、大量の黒い虫たちは蜘蛛の子を散らすが文字通りに四方八方に逃げて行ってしまいました。

あとには、スカスカになった小豆の殻(無事なように見えるものもありましたが)ばかり……

 

あとで調べてみたのですが、どうやらコメツキムシがもっとも近いような気がします。コメツキムシにもいろいろな種類がいて、なかには大きなものもいるようですが、私が見たのはそのなかでもクシコメツキ属のものが近いような…

1cmないし、2cm前後くらいのものでした。

 

インパクトはあってもサイズはGよりもぜんぜん小さいし、野外にいるぶんには蟻のように可愛い虫なのですが、家庭内、しかも小豆に大量にたかっている光景というのがいまでも網膜に焼き付いて離れない有様です。

そのあとはまだ無事な小豆も含めて、すべてを丁重にホウキで掃いて捨ててしまいました。

 

この事件は母もさすがに驚いたようですが、それで食材の収納方法を変革するというほどではなかったのがいまでも残念です。なぜなら、その次にはもっとひどい虫事件が発生してしまったのです。

 

 

  • 居て当たり前の視界

母の食材の収納方法が杜撰なのはなにも小豆に限った話ではありませんでした。というより、もっと深刻なのは生野菜に関してと言えました。

 

もちろんうちの母も家族三人分の料理を作るのを日々としていたので野菜類も当然それなりに買っていたのですが、冷蔵庫は口では言い表せないほどの完全な物置でしかなかったので使い残った野菜は外に置くしかなかったのです。

 

しかし、ここでもきちんと管理していればまだ良かったものを、手近なケースやカゴのなかに入れたままにしてしまうのが常でした。

しかもそうした野菜の上から書類やら本やら化粧品やらテレビのリモコンやらをどかどか乗せてしまうのでケースはなにが入っているのか分からない禁断の箱状態になってしまい、数年に一度くらいのペースで私や父が引っくり返すと底のほうからドロドロで真っ黒になってしまったキャベツやキュウリなんかが出てくる、というのもよくある光景でした。

 

そんなわけのわからないケースやカゴがあちこちにあるという状況で、もちろんゴキブリも出ますがそれはほとんど当たり前を通り越した光景で、驚くに値しないレベルでした。

しかし、それよりも邪魔くさかったのが大量のコバエです。

 

ハエ、そのものであれば大きいしそれなりにスプレーなども常備してるにはしてるので退治は楽なのですが、コバエとなると厄介なもの。

しかも環境が環境なだけに無限と言えるほどに発生してしまい、あらゆる退治グッズを駆使しても終わりがないほど飛び回っています。

 

コバエはなにが厄介かといって、本を読んだりテレビを見ていても視界に入ってきて邪魔をすることです。特に深夜型の私などは夜中にテレビやゲームをしていると光につられて集まってきたコバエにたかられるような有様になってしまい、集中することもできませんでした。

はやくコバエのいなくなる冬になってくれと毎年祈っていたほどです。

 

しかし、慣れというのものは恐ろしいのです。コバエが常に視界にいて、読書やテレビの邪魔をする、という状況に慣れてしまうと本当に気にならなくなってしまうのです。

いまでは考えるのも恐ろしい神経ですが、ふわっと小さな虫が過ぎっても脳が「関係ないもの」として意識する前にシャットアウトしてしまうというか…

もちろんそれでも退治グッズは私と父とで必死に更新し続けてはいましたが、さしたる結果も出ていなかったので結局のところコバエと一緒に生活するというのが当たり前になってしまいました。

 

  • ふわふわの布団

私は自他ともに認める本好きで、学生時代は図書館も古本屋も行きました。もちろん紙の本しか無かった時代ですので気に入った本はどんどん買ってきては本棚に入れていきます。ライトノベルもありますし、文庫本もハードカバー本もたくさん持っていました。

 

ある日、気に入っていたハードカバーの本を久しぶりに読もうと思ってページをめくろうとすると、本のページとページの間の隙間になにかふわふわとした綿みたいなのが詰まっています。

裁縫用具かとは思いましたがそれにしては綿がついていたあたりだけ白いページが汚くなっているし、こびりついたようになっているのも見えます。実際、完全に取り去るのは非常に苦労しました。

 

そんなものをあちこちで見かけたのですが、いまだにあれがなんだったのかは分かっていません。いまなら写真に撮ってネット上で質問なんかもできたところでしょうが…

 

個人的には蛾のさなぎだったのではないかと思っています。実際、小指の第一関節くらいの大きさの蛾がちょくちょく出現していました。

家庭内で蛾が普通に飛んでいるというのも異常事態ではありますが、コバエの件同様にすでに当たり前の光景となっていたのでさしたる驚きはありませんでした。

 

 

  • もちろんGも出る

あまりにも当たり前になってしまって気にならなくなった、というゴキブリたちですが、もちろん出れば驚きますし出来る限りで退治しようとはします。それくらい奴らはインパクトもありますし、母もやはりゴキブリだけは血眼で退治していました。

 

しかしこの食材収納の有様では発生しないでくれという方が無理というもの。コバエやコメツキムシといった別の虫ももちろん嫌ですが、ゴキブリは常に隣に居すぎたせいで逆に見えなくなってしまったような感覚でした。

 

 

母が亡くなったあと家具類を廃棄するために移動したりすると壁にたくさんの黒いシミが発見されます。台所にもトイレも風呂場にも、ひどい時には私の愛読書の裏など、とにかく至るところに油のような黒いシミが付着しているのです。

これはなんだろうと父と調べてみた結果、なんとゴキブリのうんち。もしくは卵などを産み付けた後の残骸なのかもしれませんが、とにかくゴキブリに関する汚物の山でした。

(判明した直後、大量の掃除グッズでふたりで掃除したのでいまではどうにかピカピカを取り戻しています)

 

ゴキブリも人間を見れば逃げ出すし、こっちもさすがに敵対心を燃やしているので一見したところは平和な戦闘関係(すごい言葉)が構築されていましたが、それは通常時だけでした。

夜間、人間の意識も明瞭ではなくなる時間、ゴキブリたちは活性化しています。そんな時に悲劇が起きました。

 

私が高校生から専門学生になったくらいの当時、深夜といえばネトゲタイムです。その日もヘッドホンで音楽をガンガンにしながらゲームに興じていると、突然、右のこめかみあたりに変な感触が走りました。

ヘッドホンのせいで音が聞き取れなかったようです。なんとゴキブリが私の頭の上に飛び乗ったところでした。そのまま猛スピードで首を伝い落ちて、動けないでいる私を放置してまたしても気配を消しました。

 

ゲームなんかしてる場合じゃないとヘッドホンを外してさっそく電気をつけて見ましたが、あたりには気配がしません。なんなんだろう、と思った次の瞬間、「ぶびびびび」という分かりやすい羽音と共に私の頭に向かって飛んでくるゴキブリの影!

ゴキブリが飛ぶというのはもちろん知っていましたが、あんなに間近で初めて見たという衝撃。しかもゴキブリは人間に対して逃げようともせず、むしろ攻撃でもするかのように私の頭、もしくは目を狙って飛んできます。

敵対心マックスだったはずの私ははやくも意気消沈して風呂場まで逃げてしまいました。

 

10分くらい風呂場でがたがたしていましたがどうにかはい出てきて部屋に戻っても、既にゴキブリが居たという痕跡すらありません。あれは夢だったのかと思えるほどでしたが、画面内で放置された結果MOBに殺され死体となっている私のネトゲキャラが夢ではなかったと告げていました。

 

 

なんともおぞましい虫体験ですが、だからといってたくましい精神が宿ったという訳ではなくいまでもゴキブリは怖いし10分どころか一時間くらい逃げていられる自信はあります。というか虫全般だめです。こんな記事かいておいてなんですが、他の人の虫話の記事はたぶん読みません。動画も見ません。